円の面積変化を考える

公開日: : 微分・積分, 物理数学 , , ,

問題

半径$r$の円がある。その半径を微笑量$\diff r$ $(\diff r\ll r)$だけ変化させたとき、
円の面積の変化$\diff S$はどれだけになるか計算せよ。


14-1


解答

円の面積$S$は
\begin{align*}
S=\pi r^2
\end{align*}
である。
$r$が$\diff r$だけ変化したときのSの変化$\diff S$は
\begin{align*}
\diff S&=\frac{\diff S}{\diff r}\cdot\diff r\\
&=\frac{\diff}{\diff r}(\pi r^2)\diff r\\
&=2\pi r\cdot\diff r
\end{align*}
となる。


別解
$\diff r$だけ変化したときの面積を$S(r+\diff r)$とすると
\begin{align*}
S(r+\diff r)=\pi(r+\diff r)^2
\end{align*}
と表すことができる。
$\diff r\ll r$より$(1+\dfrac{\diff r}{r})^2\approx+2\cdot\dfrac{\diff r}{r}$を利用すると
\begin{align*}
S(r+\diff r)&=\pi(r+\diff r)^2\\
&=\pi\left\{r\left(1+\frac{\diff r}{r}\right)\right\}^2\\
&=\pi r^2\left(1+2\frac{\diff r}{r}\right)\\
&=\pi r^2+2\pi r\diff r
\end{align*}
となる。
従って面積の変化$\diff S$は
\begin{align*}
\diff S&=S(r+\diff r)-S(r)\\
&=\pi r^2+2\pi r\diff r-\pi r^2\\
&=2\pi r\diff r
\end{align*}
となる。

ad

関連記事

球の変化率を考える

問題 風船に空気を入れ、膨らませる場合の変化について考える。 風船に毎秒$v_

記事を読む

偏微分の状態方程式への利用

問題 理想気体の状態方程式は \begin{align*}

記事を読む

ド・モアブルの定理の導出

問題 オイラーの公式$e^{ix}=\cos x +i\sin x$を用いてド・モアブルの定理

記事を読む

微分方程式~自由落下

問題 質量$m$の物体を自由落下させることを考える。 鉛直下向きを正の向きにとり高さ$z$を

記事を読む

オイラーの公式と加法定理

問題 (1) オイラーの公式 \begin{align*} e^{ix}=\cos x+i

記事を読む

ガンマ関数

問題 ガンマ関数$\Gamma (z)$は \begin{eqnarray*} \Gamm

記事を読む

ベクトルの微分

問題 次の式を証明せよ。ただし$\phi$はスカラーとする。 (1) $\frac{\d

記事を読む

微分の定義から導関数を求める

問題 ある関数$f(x)$の導関数$f'(x)$は \begin{align*}

記事を読む

加法定理を図で示す

加法定理を図で示す  三角関数の重要公式である「加法定理」は$\sin$と$\cos$の組み合

記事を読む

マクローリン展開の計算

問題 次の関数$f(x)$をマクローリン級数に展開せよ。 (1) $f(x)=\sin

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ad

ガンマ関数

問題 ガンマ関数$\Gamma (z)$は \begin{eq

偏微分の関係式の導出

問題 以下の関係式を導出せよ。 (1) $\display

球の表面に一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な面密度$\sigma$で球表面に帯電した半径$R$の

一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な電荷密度$\rho$で帯電した半径$R$の球がある。

無限に長い直線に分布する電荷が作る電場

問題 単位長さあたりの電気量(線密度)が$\rho$である無限に

→もっと見る

PAGE TOP ↑