物体の質量が変化する運動

公開日: : 力学, 物理学 , ,

問題

滑らかな水平面上で後方に単位時間当たり$m_0$の物質を噴出しながら
運動する物体がある。物体の初期質量を$M$、初速度を$v_0$とし、噴出物質の速度は
常に0になるように噴出されるものとする。

(1) この運動において運動量が保存されることを示せ。

(2) 時間$t$後の質量$m(t)$を求めよ。

(3) 時間$t$後の速度$v(t)$を求めよ。

(4) 時間$t$後の移動距離$x(t)$を求めよ。


解答

作図をすると


6a-1

(1) 運動方程式は時間$t$後の質量を$m(t)$、速度を$v(t)$とおくと、
\begin{align*}
\frac{\diff}{\diff t}\Bigl(m(t)v(t)\Bigr)=F
\end{align*}
と表すことができる
この運動では外部から力が作用していないので、
\begin{align*}
\frac{\diff}{\diff t}\Bigl(m(t)v(t)\Bigr)=0
\end{align*}
となる。
従って運動量$m(t)v(t)$は時間的に変化しないので
運動量は保存している。

(2) 単位時間あたり$m_0$の質量が減っていくので$t$後には
\begin{align*}
\mbox{減った質量}=m_0t
\end{align*}
と表すことができる。
よって$t$後の質量$m(t)$は
\begin{align*}
m(t)=M-m_0t
\end{align*}
となる。

(3) 運動量が保存しているので、
\begin{align*}
m(t)v(t)=Mv_0
\end{align*}
である。
よって
\begin{align*}
m(t)v(t)&=Mv_0\\
v(t)&=\frac{M}{m(t)}v_0\\
&=\frac{M}{M-m_0t}v_0
\end{align*}
となる。

(4) $v(t)$の両辺を時間0から$t$まで$t$で積分すると、
\begin{align*}
x(t)&=\int_{0}^{t}v(t)\diff t\\
&=\int_{0}^{t}\frac{Mv_0}{M-m_0t}v_0\diff t\\
&=Mv_0\int_{0}^{t}\frac{1}{M-m_0t}v_0\diff t\\
&=Mv_0\left[-\frac{1}{m_0}\cdot\log(M-m_0t)\right]_{0}^{t}\\
&=-\frac{Mv_0}{m_0}\Bigl[\log(M-m_0t)\Bigr]_{0}^{t}\\
&=-\frac{Mv_0}{m_0}\Bigl\{\log(M-m_0t)-\log(M-m_0\cdot0)\Bigr\}\\
&=-\frac{Mv_0}{m_0}\Bigl\{\log(M-m_0t)-\log M\Bigr\}\\
&=-\frac{Mv_0}{m_0}\log\frac{M-m_0t}{M}
\end{align*}
となる。

ad

関連記事

万有引力と重力加速度

問題 質量を持つ2つの物体の間には万有引力が作用する。 このことから地球の重力$mg$を求め

記事を読む

2次元平面の極座標表示における速度及び加速度を単位ベクトルを使って導出する

2次元平面の極座標表示における速度$\vec{v}=(v_r, v_\theta)$及び加速度$\v

記事を読む

力のモーメントの計算

問題 以下の図に力$\vec{F}$が作用した場合の力のモーメント$\vec{M}$を計算

記事を読む

地球の質量と平均密度

問題 地球の質量と平均密度を万有引力の法則を用いて見積もるとする。 地球の半径を$R_\ma

記事を読む

単振動の変位、速度、加速度

問題 なめらかな水平面上に壁からばねが取り付けれられている。 ばねは自然長の状態で静止してい

記事を読む

単振り子のエネルギー保存

問題 質量$m$の物体が長さ$l$の糸につるされている。 この物体の単振り子運動においてエネ

記事を読む

一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な電荷密度$\rho$で帯電した半径$R$の球がある。以下の問いに答えよ。

記事を読む

マクローリン展開の計算

問題 次の関数$f(x)$をマクローリン級数に展開せよ。 (1) $f(x)=\sin

記事を読む

等速円運動の加速度

問題 質点が原点を中心に半径$r$、角速度$\omega$の等速円運動を行っている。

記事を読む

自由落下運動

問題 質量$m$の物体を自由落下させる。 以下の問いに答えよ。 但し、重力加速度は$g

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ad

ガンマ関数

問題 ガンマ関数$\Gamma (z)$は \begin{eq

偏微分の関係式の導出

問題 以下の関係式を導出せよ。 (1) $\display

球の表面に一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な面密度$\sigma$で球表面に帯電した半径$R$の

一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な電荷密度$\rho$で帯電した半径$R$の球がある。

無限に長い直線に分布する電荷が作る電場

問題 単位長さあたりの電気量(線密度)が$\rho$である無限に

→もっと見る

PAGE TOP ↑