外力が$F(t)$が作用する運動

公開日: : 力学, 物理学 ,

問題

質量$m$の質点に外力$F(t)$を加え、質点を運動させた。
質点の任意の時刻$t$における速度$v(t)$を求めよ。
但し、$t=0$での速度$v(0)$は$v_0$であるとする。

(1) 外力$F(t)$が、$F(t)=F_0$ のとき

(2) 外力$F(t)$が、$F(t)=F_0t$ のとき

(3) 外力$F(t)$が、$F(t)=F_0\sin\omega t$ のとき

($F_0$, $\omega$は一定であるとする。)


解答

運動方程式を立てて、速度を計算する。

(1) 運動方程式は

\begin{align*}
ma=F_0\\
m\frac{\diff v}{\diff t}=F_0
\end{align*}
と表すことができる。
よって、
\begin{align*}
\frac{\diff v}{\diff t}=\frac{F_0}{m}
\end{align*}
を$t$で積分して
\begin{align*}
\frac{\diff v}{\diff t}&=\frac{F_0}{m}\\
v&=\frac{F_0}{m}t+C_1 \qquad( C_1 \mbox{:積分定数)}
\end{align*}
となる。
ここで初期条件$v(0)=v_0$より
\begin{align*}
v(0)=\frac{F_0}{m}\cdot 0+C_1&=v_0\\
C_1&=v_0
\end{align*}
従って
\begin{align*}
v(t)=\frac{F_0}{m}t+v_0
\end{align*}
となる。

(2) 運動方程式は
\begin{align*}
ma=F_0 t\\
m\frac{\diff v}{\diff t}=F_0 t
\end{align*}
と表すことができる。
よって、
\begin{align*}
\frac{\diff v}{\diff t}=\frac{F_0}{m} t
\end{align*}
を$t$で積分して
\begin{align*}
\frac{\diff v}{\diff t}&=\frac{F_0}{m} t\\
v&=\frac{F_0}{m}t^2+C_2 \qquad(C_2 \mbox{:積分定数)}\\
&=\frac{1}{2}\frac{F_0}{m}t^2+C_2
\end{align*}
となる。
ここで初期条件$v(0)=v_0$より
\begin{align*}
v(0)=\frac{1}{2}\frac{F_0}{m}\cdot 0^2+C_2&=v_0\\
C_2&=v_0
\end{align*}
従って
\begin{align*}
v(t)=\frac{F_0}{2m}\cdot t^2+v_0
\end{align*}
となる。

(3) 運動方程式は
\begin{align*}
ma=F_0\sin\omega t\\
m\frac{\diff v}{\diff t}=F_0\sin\omega t
\end{align*}
と表すことができる。
よって
\begin{align*}
\frac{\diff v}{\diff t}=\frac{F_0}{m}\sin\omega t
\end{align*}
を$t$で積分して、
\begin{align*}
\frac{\diff v}{\diff t}&=\frac{F_0}{m}\sin\omega t\\
v&=\frac{\diff F_0}{\diff m}\cos\omega t\cdot-\frac{1}{\omega}+C_3 \qquad(C_3 \mbox{:積分定数)}\\
&=-\frac{F_0}{m\omega}\cos\omega t+C_3
\end{align*}
となる。
ここで初期条件$v(0)=v_0$より
\begin{align*}
v(0)=-\frac{F_0}{m\omega}\cos\omega t+C_3&=v_0\\
-\frac{F_0}{m\omega}+C_3&=v_0\\
C_3&=v_0+\frac{F_0}{m\omega}
\end{align*}
従って
\begin{align*}
v(t)&=-\frac{F_0}{m\omega}\cos\omega t+\frac{F_0}{m\omega}+v_0\\
&=\frac{F_0}{m\omega}(1-\cos\omega t)+v_0
\end{align*}
となる。

ad

関連記事

斜面を滑り降りる運動

問題 摩擦がある水平面となす角 $\theta$ の斜面を質量 $m$ の物体がすべり下り

記事を読む

射法投射と鉛直投げ上げ

問題 質量$m$の質点が初速度$v_0$で投げ出される運動を考える。 鉛直方向に投げた場合の

記事を読む

2球の正面衝突

問題 2球の正面衝突を考える。 この衝突において運動量が保持することを運動方程式を用いて

記事を読む

無限に長い直線に分布する電荷が作る電場

問題 単位長さあたりの電気量(線密度)が$\rho$である無限に長い直線上に電荷が分布している

記事を読む

摩擦係数の定義

問題 水平面上に質量$m$の物体が置かれている。 水平方向から力$F$を加えて動かそうとした

記事を読む

一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な電荷密度$\rho$で帯電した半径$R$の球がある。以下の問いに答えよ。

記事を読む

単振動のエネルギー

問題 滑らかな水平面上にばねと物体が図のように設置されている。 物体の質量を$m$、ばね定数

記事を読む

マクローリン展開の計算

問題 次の関数$f(x)$をマクローリン級数に展開せよ。 (1) $f(x)=\sin

記事を読む

単振動の変位と速度、加速度の関係

問題 単振動の変位 $y(t)$ が \begin{eqnarray*} y(t) =

記事を読む

物体が滑り出さない条件

問題 粗い水平面上に置かれた質量$m$の物体に水平と$\alpha$の角をなす方向から 力$

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ad

ガンマ関数

問題 ガンマ関数$\Gamma (z)$は \begin{eq

偏微分の関係式の導出

問題 以下の関係式を導出せよ。 (1) $\display

球の表面に一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な面密度$\sigma$で球表面に帯電した半径$R$の

一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な電荷密度$\rho$で帯電した半径$R$の球がある。

無限に長い直線に分布する電荷が作る電場

問題 単位長さあたりの電気量(線密度)が$\rho$である無限に

→もっと見る

PAGE TOP ↑