マクローリン展開の計算

問題

次の関数$f(x)$をマクローリン級数に展開せよ。

(1) $f(x)=\sin x$

(2) $f(x)=\cos x$

(3) $f(x)=e^x$


解答

関数$f(x)$のマクローリン展開は
\begin{align*}
f(x)=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{n!}f^{(n)}(0)x^n
\end{align*}
で与えられる。

(1) \begin{align*}
f(0)&=\sin0=0\\
f'(0)&=\cos0=1\\
f”(0)&=-\sin0=0\\
f”'(0)&=-\cos0=-1
\end{align*}
よって
\begin{align*}
f(x)=\sin x&=0+\frac{1}{1!}x+\frac{0}{2!}x^2+\frac{-1}{3!}x^3+\frac{0}{4!}x^4+\frac{1}{5!}x^5\cdots\\
&=x-\frac{x^3}{3!}+\frac{x^5}{5!}+\cdots+\frac{(-1)^n}{(2n+1)!}x^{2n+1}+\cdots
\end{align*}
となる。

(2) \begin{align*}
f(0)&=\cos0=1\\
f'(0)&=-\sin0=0\\
f”(0)&=-\cos0=-1\\
f”'(0)&=\sin0=0
\end{align*}
よって
\begin{align*}
f(x)=\cos x&=1+\frac{0}{1!}x+\frac{-1}{2!}x^2+\frac{0}{3!}x^3+\frac{1}{4!}x^4+\frac{0}{5!}x^5\cdots\\
&=1-\frac{x^2}{2!}+\frac{x^4}{4!}+\cdots+\frac{(-1)^n}{(2n)!}x^{2n}+\cdots
\end{align*}
となる。

(3) \begin{align*}
f(0)&=e^0=1\\
f'(0)&=e^0=1\\
f”(0)&=e^0=1
\end{align*}
よって
\begin{align*}
f(x)=e^x&=1+\frac{1}{1!}x+\frac{1}{2!}x^2+\frac{1}{3!}x^3+\cdots\\
&=1+x+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots+\frac{x^n}{n!}+\cdots
\end{align*}
となる。

ad

関連記事

斜面を滑り降りる運動

問題 摩擦がある水平面となす角 $\theta$ の斜面を質量 $m$ の物体がすべり下り

記事を読む

接触した物体の運動

問題 滑らかな水平面上に2つの物体$\mathrm{A}$,$\mathrm{B}$が接触して

記事を読む

一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な電荷密度$\rho$で帯電した半径$R$の球がある。以下の問いに答えよ。

記事を読む

偏微分の関係式の導出

問題 以下の関係式を導出せよ。 (1) $\displaystyle \left( \f

記事を読む

力のモーメントの計算

問題 以下の図に力$\vec{F}$が作用した場合の力のモーメント$\vec{M}$を計算

記事を読む

地球の質量と平均密度

問題 地球の質量と平均密度を万有引力の法則を用いて見積もるとする。 地球の半径を$R_\ma

記事を読む

単振動の微分方程式

問題 単振動の微分方程式 \begin{align*} m\frac{\diff^2 x}

記事を読む

単振動の変位、速度、加速度

問題 なめらかな水平面上に壁からばねが取り付けれられている。 ばねは自然長の状態で静止してい

記事を読む

斜面を滑らない条件

問題 水平と角度 $\theta$ をなす荒い斜面上に置かれた物体が滑り出さないための条件を求

記事を読む

射法投射と鉛直投げ上げ

問題 質量$m$の質点が初速度$v_0$で投げ出される運動を考える。 鉛直方向に投げた場合の

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ad

ガンマ関数

問題 ガンマ関数$\Gamma (z)$は \begin{eq

偏微分の関係式の導出

問題 以下の関係式を導出せよ。 (1) $\display

球の表面に一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な面密度$\sigma$で球表面に帯電した半径$R$の

一様に帯電した球が作る電場

問題 一様な電荷密度$\rho$で帯電した半径$R$の球がある。

無限に長い直線に分布する電荷が作る電場

問題 単位長さあたりの電気量(線密度)が$\rho$である無限に

→もっと見る

PAGE TOP ↑