力学 物理学

天秤が回転しない条件

問題

軽い棒の両端に質量mの物体と質量Mの物体が図の様に取り付けられ、点oで糸に吊るされている。
この棒が回転しない条件を以下の問題に沿って答えよ。

(1) 棒に作用する力を書き込め。

(2) 棒の運動方程式を記述せよ。

(3) 棒の回転の運動方程式を記述せよ。

(4) 棒が回転しない条件r1r2を求めよ。


解答

(1)
軸の設定は「x軸は右向き正」とし「y軸は上向き正」とします。

棒に作用する力は、左右の重り「重力mg」「重力Mg」と「糸の張力T」の3つの力が作用することになります。

(2)
運動方程式は

(m+M)ay=TmgMg


となり、ay=0 (動かない)より
0=TmgMg

となります。

(3)
回転の運動方程式は「dLdt=M」と表され、また、力のモーメントMは位置ベクトルrと作用する力Fの外積で表されるので、r,Fを図の様に設定します。

r,Fの成分は

r1=(r100),r2=(r200)

F1=(0mg0),F2=(0Mg0)

となるので、左右の重りによる力のモーメントM1,M2

M1=r1×F1=(r100)×(0mg0)=(000(mg)00(r1)0r1(mg)00)=(00r1mg)M2=r2×F2=(r200)×(0Mg0)=(000(Mg)00r20r2(Mg)00)=(00r2Mg)

となります。
従って、回転の運動方程式は

dLdt=M=M1+M2=(00r1mg)+(00r2Mg)=(00r1mgr2Mg)


となるので、

dLdt=(dLxdtdLydtdLzdt)=(00r1mgr2Mg)

となります。この式がこの運動における「(力の)モーメントと角運動量の関係式」になります。

注)
張力Tに対する力のモーメントは支点から力の作用点の距離がゼロなので考慮しなくても良い。

(4)
棒が回転しない条件はdLdt=0、即ち、dLzdt=0であれば良いので

dLzdt=r1mgr2Mg=0r1mg=r2Mgr1r2=Mm

となります。

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